株式会社スキノス
代表取締役/CEO 百瀬 英哉 氏
ウェアラブルEXPO 事務局 RX Japan
2023年3月3日
株式会社スキノス
代表取締役/CEO 百瀬 英哉 氏
ウェアラブルEXPO 事務局 RX Japan
2023年3月3日
1月に開催され盛況のうちに幕を閉じた「第9回 ウェアラブルEXPO -ウェアラブル [開発]・[活用] 展- 」。今回は、汗によって身体から喪失する水分の程度をセンシングし、必要なタイミングで水分補給を促すウェアラブルデバイス「WLS-1000」のご出展で多方面から注目を浴びた 株式会社スキノス 百瀬氏に、展示会を終えてのご感想や、その後の反響などをお聴きしました。
ー 株式会社スキノス様は、過去にもウェアラブルEXPOにご出展いただき今回が3回目のご出展でしたね。
百瀬 そうですね。うちの製品はまだ開発段階でこれからさらに進化していくものなので、「ウェアラブルEXPO」でいただいたお客様の声をもとにさらに開発を進めています。だからこの展示会に育てていただいたというような感覚がありますね。
ー 本当ですか?でも、そう言っていただけると嬉しいです。
1月に開催された「第9回 ウェアラブルEXPO 」では、改めて開発中の発汗センサーをご出展いただいたんですよね。
百瀬 はい。「WLS-1000」といって汗の量を測るセンサーになります。最初にウェアラブルEXPOに出展した段階では、単に汗を測るという機能だけだったのですが、今回はご来場者様に具体的な活用イメージを思い描いていただけるよう、それを利用したソリューションイメージをいくつか展示させていただきました。
その結果、今15社の企業様とお話を継続させていただいています。
百瀬 この技術の実用的な使い方としては、自動車運転中の発汗を測定して「ヒヤリハット」を可視化したり、居眠り運転や漫然運転防止に役立てることもできると思うんです。
今回の「ウェアラブルEXPO」では、そういった観点から日常業務の中で運転が必要不可欠な物流会社様などにも興味を持っていただけたのは成果の一つでしたね。
ー なるほど、熱中症対策だけでなく、交通事故対策など、本当にさまざまなソリューションへの活用が期待できるんですね。
百瀬 世界的にみても、発汗を真面目に研究している企業というのはめずらしいと思うんです。だから、そこの分野で、弊社は測定する技術から応用の部分まで広く研究開発させていただいているというのが現状です。
ー 今おっしゃったようなソリューションは、最初からご自身の中でイメージしてたんでしょうか。それとも展示会などを通して、来場者様の生の声のフィードバックによって気づきがあったのでしょうか。
百瀬 弊社は信州大学発のベンチャーなので、大学で「あんなのあるよね」「こんなのあるよね」という話は思いつきや発想として持っていました。そこから、展示会に出展することでお客様の生の声をいただき、本当に可能性があるのか、実際に事業化する段階ではどのようなことを考えないといけないのか、などという部分を研究開発にフィードバックしているといった感覚ですかね。
ー 発想が製品へと進化するプロセスの一端を、展示会が担っているというのは嬉しいですね。
百瀬 実際、こういう活用方法があるなと思っても、直接その分野の方々のところに行って「話を聞いてくれますか?」っていうのはなかなか難しいので、すごく幅広い領域のお客様が来場される「ウェアラブルEXPO」を通して、お客様の生の声が聞けるのはすごくメリットだと思います。
今回は「スマート物流EXPO」が同時開催されていたので、その流れで物流関係の方々も来てくださったこともよかったですね。
ー 確かに「スマート物流EXPO」や、製造業の工場を革新しようという「Factory Innovation Week」なども同時開催されていたので、思いがけない出会いが生まれる場にもなっていたのかもしれません。
百瀬 そういうふうに併設展からフラッと立ち寄ってくれた方からお話が聞けるというのも、この展示会の良さだと思いますね。その場で販売につながるというよりは、その後のつながりのきっかけが作れるというのが、展示会ならではの醍醐味だと思っています。
やはり、200件以上の方々と名刺交換させていただけるっていうのは、本当にすごいことだと思います。
ー ちなみに、最初にウェアラブルEXPOにご出展いただいたきっかけはなんだったんですか。
百瀬 今となってはよく思い出せないんですが、出展する以前からウェアラブルEXPO自体は情報調査の一環として足を運んでいまして、来場者がとても多く活気があるという印象を持っていました。「汗を測る」というイメージはまだ世の中に周知されていないので、これだけ多くのお客様に自分たちの製品が露出できるのならちょっとやってみようかというところからはじまったのかもしれないですね。
ー まずは会社名とソリューションを広く認知してもらおうということですね。
ー 当日のブースづくりで何か工夫された点などはありましたでしょうか。
百瀬 弊社の場合、製品というよりは開発段階のものをみていただくことになるので、それがいいのか悪いのかわからないんですけど、いろいろな技術や可能性をフルラインナップで展示させていただいたって感じですね。
だからなのか「これ何展示してるの?」というお声がけをよくいただきました。
そのたびに「汗を測ることから展開するソリューションのイメージを出展させていただいています」とお話させていただきましたね。
ー 展示会では、御社のように網を広くはることが大事だと思います。その中から思わぬ引き合いというか、角度の高いところから「これ興味あるよ」という問い合わせが来たりするのもおもしろいですよね。
百瀬 あと弊社のブースが、多くの人が集まる場所だったので、「汗について展示してるんですよ」とお声がけすると意外と食いついてくれて、具体的な話を聞いていただけるケースがすごく多かったです。
「汗を測る」というキャッチコピーや「熱中症」「自動車運転」「ストレス」などのキーワードも意識的に強調していたので、それをみて足を止めていただく機会が多かった気がします。
ー ウェアラブルEXPOも会場が大変混み合うので、目線を高くして歩かれている来場者様が多いんです。だからキャッチコピーやキーワードで「うちは何が得意です」とアピールをしたり、キャッチーな単語を打ち出すことで足を止めていただけるということがあるようですね。そういった展示の工夫が、今回成果をあげていただいた一つの要因なのかなと思いました。
ー最後に、弊社のサポート体制についても、ひとことご感想をいただけますか。
百瀬 事前にホームページに会社概要を載せていただいていたのがすごく効果的でした。実際、WEBで調べて見に来たんだよと言ってくださる方が多くて、すごくありがたかったですね。
ー ありがとうございます。展示会の2カ月前にはWEB上に出展者検索サイトをオープンしているんですが、特に新型コロナウィルスの感染拡大以降は、効率的に会場を回りたいというニーズが高まっていて、事前に出展者を調べてから来場されるケースが増えています。事前告知に少しでも貢献できたのなら私たちも嬉しいです。ちなみに、ウェアラブルという展示会全体のテーマは、スキノス様にとってはいかがでしたか。ドンピシャりな感覚だったでしょうか。
百瀬 そうですね、ウェアラブルという言葉から一番イメージされるところを弊社は取り組んでいると思っているので、確かにドンピシャりな感覚はありますね。
例えばスポーツ関係など、他社の展示会にもいくつか出展させていただいてはいましたが、逆に絞り込まれすぎてあまり興味を惹かれなかった印象があります。でもウェアラブルとなると多くが同業者になるので、同業の方々の繋がりから広がっていくような感覚がありましたね。
ー 今回ご出展いただいた成果として、「うちと組んでみない?」というお誘いはたくさんありましたか?
百瀬 ありました。「ウェアラブルEXPO」がきっかけで知り合った15社の方々とは今も継続してやりとりさせていただいています。その多くがすでにソリューションをお持ちのウェアラブル関連の同業社様で、そこに弊社のセンサーを付ければもっとおもしろいことができるんじゃない?というように展開していくことが多いですね。だからそういう意味でも、ウェアラブルというキーワードはとても意味があるのかなと思います。
ー 先ほど物流会社さんからのアプローチもあったと伺いましたが、ウェアラブルメーカーの方からのアライアンスなんかもあったんですか。
百瀬 ありました。今は、いろんなところに転がっているパーツを組み合わせてソリューションにしてくという形が一般的な製品の作り方だと思うんですが、発汗センサーについては弊社以外に取り組んでいる企業がまだないので、今あるソリューションに組み入れていただくというときに注目していただく機会が多いのかなとは思いますね。
ー そのような機会が作り出せたのは、ウェアラブルという言葉の間口の広さによるのかもしれないですね。
百瀬 そうだと思いますね。
広い部分で何かできないかなと考えている方がすごく多いということですよね。そういう意味でも、弊社にとって「ウェアラブルEXPO」が一番刺激になる場なのかなと思っています。
ーそう言っていただけてとても嬉しいです。本日はありがとうございました。
※本ページに記載の出展社数・来場者数・国数は同時開催展を含む最終見込み数字であり、開催時には増減の可能性がございます。
※HP内の写真は過去開催時の写真を使用している場合がございます。